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かつて台湾では原理運動を厳しく取り締まられた

2023年10月読了。1977年に出版されたものを再編集して文庫化した図書。話題でもあるので経緯を知るための参考として読んだ。43ページ
笹川良一は全日本空手道連盟の会長だったことがある。笹川と空手の団体、なんだろうねこの相性の良さは。85ページ
かつて台湾では原理運動を厳しく取り締まられた。「反共」のメリットを差し置いてでも原理運動の反社性を見ての措置であったならば慧眼と言えるだろうが、現在の台湾では原理運動や統一教会問題はどう取り扱われているのだろう。99ページ
「血分け運動」についての記載。悍ましいので詳述は避けるがこういうものが広まってしまうのはある種のストックホルム症候群のようなものか。104ページ
文鮮明40歳、韓鶴子19歳の1960年に結婚。文は4度目の結婚。何度結婚しようが自由だが奇怪な人物とは言えそうだ。111ページ
明治神宮内に統一教会の「聖地」がある(あった?)という奇異な現象。どういう発想で他の信仰の拠点を自分たちの聖地に指定できるのか、俄かには理解しがたい。114ページ
「原理運動き入る学生のタイプをみると、過激派をふくめた左翼学生運動に参加することもできず、といってノンポリでいることもできない、なにか人生に指標をもとめ、社会に矛盾を感じているという、ひとくちでいえば平凡で〝純情〟な学生が多いといわれる。121ページ
金満体質の文・韓夫妻の生活(ニューヨーク郊外に私邸等)と人参茶などを売り歩いてボロ雑巾のように成り果てる一般信者の対比的に見るにつけ、こんなインチキ「宗教」が正義であるはずがないと思わざるを得ない。129ページ
一連の報道で既に広く知れ渡っていると思うが、原理研、統一教会、勝共連合は同根の組織であり、原理研は理論の研修組織体、統一教会は宗教法人、勝共連合は統一教会を母胎とした政治団体。恐ろしいのはこんな宗教カルト団体が時の政権与党内に長年にわたってガッツリ食い込んでいてそれが長年にわたって批判されることもなく有形無形の支援をする/される関係性にあったということ。145ページ
何故「合同結婚するのか」の理論的説明。到底理解できる範疇を超えている。204ページ
「統一グループ」とでもいうべき企業コングロマリットについての記載。他方で他の宗教団体も細かく見れば多かれ少なかれある種の「経済ブロック」を築いているのだろう。問題はそれに自覚的であるか否か。244ページ
当時の現役の首相や首相経験者、右翼の大立者、右翼界隈の政治家、神社本庁、自衛隊関連団体が挙って統一教会の主催する会議体を支援していた。現役の政治家からすれば本当に「昔からそうだったから」懇ろな関係性を維持してきたし、別に何が問題なのかも理解できないのだろう。248ページ
日韓双方の癒着問題とも言える。260ページ
著者による結びとして、「国際的に問題化している統一協会の活動について、日本人も関係ありとうたがわれているにもかかわらず、政府当局の取り組みはきわめて弛緩している。反共であればなんでもいいという政府与党の態度は、野合というよりは犯罪的である。私はそこに限りなく腐敗した自民党の病根を見る思いがする。」解散命令請求が出て(2023年10月)新たな展開を迎えつつあるが、無関心を装う人が多ければ多い程、この問題は根絶されずに次世代に引き渡されてしまうように思う。

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