ゴルフのマネジメント

Sさん曰く、河川敷コースにはゴルフの感性を磨くには最適の場という。

「もともとボーリングを本格的にやっていて、ゴルフもスパットにボールを通すイメージでやっています。50になってから始めたので、最初から自分ができることしかしない。6500ヤード以上のコースで行われる競技には出ません。毎月ある練習場のコンペでベスグロを獲るのが最大の目標です」。

たとえばティーショットではプロのようにピンポジションから逆算するのではなく、OBや池など、ペナルティを課されてしまう場所を徹底的に避けることが大切です。そして2打目、3打目ではグリーンを直接狙うのではなく、グリーンの入り口を探して、その手前にボールを置くことが基本戦略になります。というのも、まともな設計者が造ったコースのグリーンには必ず入り口があって、その手前からはアプローチショットがしやすくなっているものです。これはボギーゴルファーも楽しめるようにという配慮であり、そのルートを見つけ出すのが一般アマチュアの醍醐味でもあります。着実にボギーオンさせて1パットのパー、もしくは2パットのボギーでコツコツ回っていけば、必ずスコアは縮まるでしょう。

ゴルフのスコアをよくするためには、技術の向上はもちろん、コースでのスコアの組み立て方を考える必要があります。

「スコアはゴルフネットワークのアプリですべてのラウンドを入力しています。今年はワーストが96回。ベストは白ティーからのコンペで出した73回。10月まで60ラウンドで、70台をマークしたのは14回。だいたい5ラウンドに1回の割合です。意外に少ないと思われるかもしれませんが、ラウンドのほとんどがフルバックなので、こんなものでしょう」。

この数字を念頭に、最初に登場していただくのが、このゴルフ場のメンバーでオフィシャルハンデ6.7のSさん(46歳)。ゴルフ歴7年。月に6ラウンド、週に2回のペースで練習に勤しむアスリートさんです。

すでに年金生活のOさんにとって、「ないものねだりをしない」ことも重要。ゴルフに使う予算は決まっており、道具も中古ショップで5年前に購入したもの。

「相手のことを考えてスムーズな行動を心がけると仕事はうまく行く。ゴルフでいえばスコアアップにもつながるということです」

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しっかり自分の実力をデータで把握するSさんは、最初にもらったオフィシャルハンデが9。ゴルフを本格的に始めて4年目のことでした。

Oさんのゴルフ哲学は「飛ばさない、乗せない、寄せない」だそうだ。その裏付けが毎日、自宅で練習する2メートルのパッティング。

「ゴルフを突き詰め過ぎるといろんな欲が出てくる。一番が飛距離。もっと飛ばしたいと身体を鍛えるのは否定しないが、ヘッドスピードを上げようとするより、いつも同じインパクトができるほうが大事。次の欲がスコア。プロでもないのに、ダボを打った次のホールで『絶対にバーディーを取るぞ』なんていう人がいるが、身の程を知れと言いたい」。

「練習場でドライバーばかり250ヤードのネットに届かせようと一生懸命振っている人がいるけど、百害あって一利なし。フェードだ、ドローだと打ち分けている人もいるけど、ゴルフを難しくするだけ。いつも同じ方向にしか曲がらない持ち球を武器にすれば、ゴルフが簡単になる」。

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